「………何なの、あんたらには関係ないでしょ。私の何が分かるの」
 私は二人を目の前にして、顔を上げて、口をかみしめて睨みつける。
「アハハ。笑っちゃう。そんなの知らないわよ。ただあんたが可哀想だから、学校も家族も。だから、私たちが希望与えたの。話しかけただけだけどね……アハハアハハ」
 桃は両手を叩いて、朱に行こうと右手で合図をしてどこかへ去っていた。
 私は一人取り残された。二人に言われたことを胸にしまい、私はそのまま自分の席に座り、一人でコンビニ弁当を口にした。
 今野琳達のグループには行かずに、高校生活で初めて一人で食べることになった。
 形だけはグループに入っていたので、表面的に一人になったのは初めてだった。
 一人で食べる弁当は、グループで一緒に食べるよりも寂しさが増した。
 グループで食べている時は、今野琳達の話し声が聞こえてはいたが、聞こえないように意識をしていたので分からなかった。
 誰かの話し声がこんなにも誰かの存在を知らせるのだと……
 今野琳達のグループで食べていた時は、空気になっていたが、今は空気よりも重くて何もかも存在していないように感じられた。
 一人になると軽くなると思ったが、それ以上に苦しくなった。
 苦しくて、自分がどうにかなりそうだった。
 六弥くんは同じクラスだが、男子だし、からむと変にみられるだろう。
 私のことを気にしているようだが、話しかけづらいみたいだった。
 一人で食べるコンビニ弁当は味がするはずなのに、味が全くなく感じられた。
 食べ終わると、私は次の授業の準備をした。次の授業は、数学の教科書を出した。
 数学の先生が来るまで、クラスメイト達は私のことをコソコソと話し始めた。
 今日は帰らないんだな。さぁ? 今回は逃げないんじゃない。
 まぁ、いいんじゃね。あ、先生来た。コソコソ話をしても、私には聞こえてくる。