小6の初ハグ以来、私は、
志門くんに〝甘える〟ことが出来るようになった。



志門くんに、
抱きしめられながら、考えていると。



「久美が〝ハグ〟してって、
俺に言うのに、そろそろ理由欲しくなる、」



そうボソッと呟く志門くん。



もう、高校生だし、
志門くんに〝ハグ〟をねだるなんて。



──────間違いだって気づいてる。



〝甘えたい〟時に使う、ズルい言葉ってこと、ぐらいとくっくに、気づいてる。



それでも..............................



「たぶん、傍にいたい、」



それが理由じゃ、だめなのかな............?



そう思いながら、志門くんにしがみつくと。



「ん。俺も、傍にいたい、」



今は、ズルい言葉かもしれないけど。



いつか、お互い望む、
答えを見つけられるように傍にいる。





fin.