「っ、ぅ、...............志門くんっ、てば、」



テレビを見ながら、そう言って、
ギュッと握るのは、志門くんの服の袖。



でも、志門くんはテレビに夢中で............



「っ、ぅ、............志門くん、」



服の袖を掴んだまま、
頭をコツンと腕に乗せたところで。



「久美............、どしたんだよ?」



私の方を見ないままの、
志門くんの声がやっと聞こえた。



「っ、ぅ、.....................ぁ、あのっ、」



いつも、そうだ。



〝その言葉〟を言おうとすると。



どうしても言葉が詰まる.....................っ。



志門くんが断らないことは分かってるけど。