翌日。よく眠れずに朝が来てしまい、学校に行く準備をした。朝ごはんと食べているとき、携帯が鳴った。確認すると圭斗君からだった。

『今日も一緒に登校していいですか!?』

 朝から元気だなとか思いつつ『いいよ。待ち合わせは前回と同じで』と返して、慌てて準備することにした。

 無事に合流し、学校に向かう。話が尽きないから楽しかった。でも、彼の話に私が相槌をする確率の方が高い。私が楽しくても彼が楽しいか不安になった。でも、別れ際に

「楽しかった~。またね」

と言っていた。これが嘘でも本当でも私はこれを本当だと信じたかった。

 圭斗君は休み時間のたびに私の教室に来てくれた。でも、私からどうしても彼の教室に行くことはできないだろうなと思った。そんなこんなで昼休みになり私は決めた。圭斗君と話そう。

 そう思って私は教室をすごい勢いで出ていった。 教室を勢いよく出たものの、嫌なことが一瞬頭をよぎり、立ち止まる。

(この間のようないざこざになったらどうしよう、、)

 一回気になってしまえば、ずっと気になる。いってもいいのか、行かない方がいいのか。でも、圭斗くんと話したい気持ちは強くある。それなのに、たった小さな一つの過去のせいで足が止まってしまう。

 あぁ、こんな弱っちい自分、本当にいやだな。彼みたいにもっとまっすぐになれたら、どんなに気が楽だろうか。もちろん、まっすぐな人特有の何かがなるのだとは思うが、そんなのなってみないと分からないのだから、夢を抱いたっていいと思う。否、思いたい。

 少し弱気な自分に押しつぶされたが、何とか自分を取り戻して圭斗君のクラスに向かうことにした。だって、まっすぐな人になりたいなら、少しでも真似してみたら近づけると思ったんだもん。

 誰に対してかわからない言い訳をしつつ足を動かしていると、あっという間に目的地前についた。

 人からは分からないような小さな小さな深呼吸をする。そして、

「すみません。圭斗君いますか」