その帰り道、私は考えてしまった。

(私は圭斗君が思ってくれているようなことを思いつかなかった。それでもいいのかな。こういう温度差が価値観の違いで分かれたりするんじゃないかな。お互いがお互いのものだったら、それをどうやって分け合うのかな)

 世間でネガティブと言われるような思考回路で考え事をしているうちに家についた。

 同居人と適当に会話をしつつ寝る準備を整え、布団に入る。

 珍しく夢を見た。懐かしい声だ。誰の声だっただろうか。声の主が分からないまま夢を見る。

『美優、いい?もし、だれかと付き合うことになったら、価値観があっているかの確認はしておきなさいね。できていないと、、、』

 最後の方は聞き取れなかった。でも、今の私に必要なことな気がして、私を不安にさせてその夢は終わっていった。