ついにその時が来た。

 放課後の体育館裏で、彼女を待つ。

 気味悪がられるだろうな。たぶん、この恋は散るな。

 わかっていても、どうしても期待してしまう。無理だと分かっているのに。

 緊張していると、足音がした。おそらく美優さんが来たんだろう。

 来てくれた喜びで挨拶もせず、開口一番にこう告げた。

「美優さん、貴女のことが好きです。僕と付き合ってください」

 多分、否、絶対に人としてやばいことをしている。だって、初対面の人に会っていきなり挨拶もなしに告白されるのだから。

(やらかしたーーー汗!)

 とか思って、彼女からの返事を待つ。

 それは、自分の予想をはるかに上回る、嬉しいものだった。