夏の雨の中、些細な恋を君と誓う。

青春・恋愛

蜃気羊/著
夏の雨の中、些細な恋を君と誓う。
作品番号
1703737
最終更新
2023/08/04
総文字数
5,208
ページ数
1ページ
ステータス
完結
いいね数
10
ランクイン履歴

総合49位(2023/08/11)

青春・恋愛9位(2023/08/08)

ランクイン履歴

総合49位(2023/08/11)

青春・恋愛9位(2023/08/08)

閉じ込められた世界の中で、
私たちはしっかり生きるしかない。



雨が私と楓くん、ふたりきりだけの世界にしてくれているように感じる。
予報にはなかったはずの土砂降りの雨に打たれながら、私はいま、楓くんに抱きしめられている。

「もう、離したくない」
楓くんはぼそっと私の左の耳元でそう言ったから、
私は楓くんとなら、このまま雨に濡れてもいいやと思った。




2週間、入院した所為で補講を受けることになった涼香。
ひとりきりだと思っていたその補講には楓くんがいた――。

補講が終わり、楓くんと廊下を歩いている。

クラスだって別々だし、1軍の雰囲気が漂っている楓くんと、2軍で地味な黒髪ボブの私が交流を作るなんて、未知との遭遇ぐらい困難なことだと思う。
私の左側を歩く、楓くんを見ると、楓くんはだるそうに微笑んでくれた。
耳元の銀色のビアスが一瞬、反射した。きっと、普通の学校生活だったら、楓くんとは、話すことなんてなかったかもしれない。
 
そんな余計なことばかり考えを持っていかれ、本当なら会話を続けたいけど、その次の言葉はいまいち、思いつかなかった。 



この話は雨の中、涼香が楓くんに心を開く話。


※表紙イラスト/ノーコピーライトガール様(https://fromtheasia.com/illustration/nocopyrightgirl)

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