村の入り口でクロン、メルリーン、ジライの3人は、村長に別れを告げ村を出る。
「結局いいのか。俺が護衛になって」
村長に挨拶しているメルリーンの横で、クロンはジライに訊いた。
「メル様が決めたことじゃ。ワシにはもう止めれん。じゃが――」
ジライはクロンを睨みつける。
「メル様の信頼を裏切ったら許さんからな小僧!」
「せいぜい頑張るさ」
「……むしろ貴様はよかったのか。いきなり護衛なんぞ頼んで」
ジライはクロンから視線を外しながらも、質問を返す。
「確かに俺にも目的はある。だがそのためには力が必要だ」
クロンは拳を握りしめながら言った。
「そして金も……」
その言葉の時は悲しそうな表情をしていた。
「では行きましょう。じい。クロンさん」
「ああ」
「うむ」
そう言って3人は村を旅立つ。
その様子を村長は見守りながら呟いた。
「変わった方たちじゃった。しかしクロンといったか。その名前どこかで……」
その呟きは誰に聞こえることもなく消えていった。
「はあっ!」
クロンの斬撃がモンスターを討つ。
「クロンさんはやっぱり強いですね」
「ワシもあれくらいできますぞ」
喜ぶメルリーンと、年甲斐もなくすねるジライ。
「そんなに強いのになぜ強さを求めるのか、訊いていいですか?」
メルリーンは真剣な表情になり、クロンに問う。
「聞きたいのか?」
クロンは厳しい表情でメルリーンを見る。
「無理にとはいいません」
2人はしばらくにらみ合う。
「そのうちわかる。今はまだ話さないでいいか」
「ええ。その返事で十分です」
メルリーンは笑顔で返事をした。
しかしクロンの事情はこの後すぐに明かされる。
とある町だったもの。廃墟にたどり着いた3人。
「これは……」
「酷い有様ですな……」
メルリーンとジライが呟く中、クロンは走り出していた。
「小僧!?」
「クロンさん!?」
(この闇の力。間違いない。『奴』がまだいる!)
クロンは廃墟を駆ける。そして町の中心らしき場所で立ち止まった。
「見つけたぞ……」
そこには黒いマントの男が一人。
その男は常人でもわかる異質な魔力を放っていた。
男は振り向きクロンを見る。
「きみは……ああ、あの時の」
「お前を……殺す!」
クロンは瞬時に剣を抜き、男に迫る。
黒マントの男はそれを避けると、疑問符を浮かべた。
「何を怒っている? 私はきみに力を授けた。感謝されるべきではないかな?」
「黙れっ!」
クロンが剣を再度、三度、四度、振るう。
それを男は軽く回避していく。
「お前のせいで村は! みんなは! そして――」
クロンの脳裏に浮かぶ1人の赤髪の少女。
「――レッカは!」
クロンの最大限の力を込めた一撃。それを男は自らの剣で受け止めた。
「ここまでかな? 力を授けた大本である私に敵うとでも?」
「っ!?」
男はクロンを大剣ごと吹き飛ばした。
「ぐっ!」
「そしてきみの言ってることは大きな間違いだ。なぜなら――」
その言葉は少し前に追いついていた、メルリーンとジライにも聞こえていた。
「――村を滅ぼすきっかけを作ったのは、他でもないきみ自身なのだから!」
「小僧が……」
「村を滅ぼした……?」
2人はクロンを見る。
クロンは立ち上がりつつ、男を睨みつけた。
「……そうだ村が滅びたきっかけを作ったのは俺だ。だから――!」
再びクロンが突進する。
「お前を殺して村のみんなへ捧げる!」
クロンの剣戟はさらに勢いを増す。
だが変わらず、男は時にかわし、時に防いでクロンを軽くあしらう。
「全然駄目だね。とても同じ力とは思えない。残念だが……」
男が剣を掲げる。その剣には禍々しい魔力が伝っていた。
「終わりだ」
男は剣を軽く振った。
軽く振っただけ。しかしその一撃はクロンを飲み込み、廃墟となった町の壁に叩きつけた。
「がはっ……」
「クロンさん!」
メルリーンがクロンに駆け寄る。
「ん?」
男はメルリーンを見る。
「不思議な力を持っているようだね。興味深い」
男がメルリーンに近づこうとした時。
「メル様には触れさせん!」
ジライが割り込み剣の一撃を放つ。
その一撃は、腰痛で苦しんでいた人物とは思えない強力な一撃。
だがそれも男には通じない。
「ぬうっ!?」
「ご老体。無理はいけない。が……」
男は振り向き歩き始める。
「少年と、ご老体、あなたの一撃に敬意を表してここは引いてあげよう」
それをクロンは起き上がりながら追おうとするが……。
「待てっ……ぐっ!」
すぐに倒れてしまった。
「じゃあね」
そう言って男は影のように消えていく。
「く、くそっ」
「クロンさん……」
「小僧……」
クロンは地面を殴りつけ叫ぶ。
「ちくしょぉー!!」
その叫びは、降ってきた雨に吸収されていくのだった。
「結局いいのか。俺が護衛になって」
村長に挨拶しているメルリーンの横で、クロンはジライに訊いた。
「メル様が決めたことじゃ。ワシにはもう止めれん。じゃが――」
ジライはクロンを睨みつける。
「メル様の信頼を裏切ったら許さんからな小僧!」
「せいぜい頑張るさ」
「……むしろ貴様はよかったのか。いきなり護衛なんぞ頼んで」
ジライはクロンから視線を外しながらも、質問を返す。
「確かに俺にも目的はある。だがそのためには力が必要だ」
クロンは拳を握りしめながら言った。
「そして金も……」
その言葉の時は悲しそうな表情をしていた。
「では行きましょう。じい。クロンさん」
「ああ」
「うむ」
そう言って3人は村を旅立つ。
その様子を村長は見守りながら呟いた。
「変わった方たちじゃった。しかしクロンといったか。その名前どこかで……」
その呟きは誰に聞こえることもなく消えていった。
「はあっ!」
クロンの斬撃がモンスターを討つ。
「クロンさんはやっぱり強いですね」
「ワシもあれくらいできますぞ」
喜ぶメルリーンと、年甲斐もなくすねるジライ。
「そんなに強いのになぜ強さを求めるのか、訊いていいですか?」
メルリーンは真剣な表情になり、クロンに問う。
「聞きたいのか?」
クロンは厳しい表情でメルリーンを見る。
「無理にとはいいません」
2人はしばらくにらみ合う。
「そのうちわかる。今はまだ話さないでいいか」
「ええ。その返事で十分です」
メルリーンは笑顔で返事をした。
しかしクロンの事情はこの後すぐに明かされる。
とある町だったもの。廃墟にたどり着いた3人。
「これは……」
「酷い有様ですな……」
メルリーンとジライが呟く中、クロンは走り出していた。
「小僧!?」
「クロンさん!?」
(この闇の力。間違いない。『奴』がまだいる!)
クロンは廃墟を駆ける。そして町の中心らしき場所で立ち止まった。
「見つけたぞ……」
そこには黒いマントの男が一人。
その男は常人でもわかる異質な魔力を放っていた。
男は振り向きクロンを見る。
「きみは……ああ、あの時の」
「お前を……殺す!」
クロンは瞬時に剣を抜き、男に迫る。
黒マントの男はそれを避けると、疑問符を浮かべた。
「何を怒っている? 私はきみに力を授けた。感謝されるべきではないかな?」
「黙れっ!」
クロンが剣を再度、三度、四度、振るう。
それを男は軽く回避していく。
「お前のせいで村は! みんなは! そして――」
クロンの脳裏に浮かぶ1人の赤髪の少女。
「――レッカは!」
クロンの最大限の力を込めた一撃。それを男は自らの剣で受け止めた。
「ここまでかな? 力を授けた大本である私に敵うとでも?」
「っ!?」
男はクロンを大剣ごと吹き飛ばした。
「ぐっ!」
「そしてきみの言ってることは大きな間違いだ。なぜなら――」
その言葉は少し前に追いついていた、メルリーンとジライにも聞こえていた。
「――村を滅ぼすきっかけを作ったのは、他でもないきみ自身なのだから!」
「小僧が……」
「村を滅ぼした……?」
2人はクロンを見る。
クロンは立ち上がりつつ、男を睨みつけた。
「……そうだ村が滅びたきっかけを作ったのは俺だ。だから――!」
再びクロンが突進する。
「お前を殺して村のみんなへ捧げる!」
クロンの剣戟はさらに勢いを増す。
だが変わらず、男は時にかわし、時に防いでクロンを軽くあしらう。
「全然駄目だね。とても同じ力とは思えない。残念だが……」
男が剣を掲げる。その剣には禍々しい魔力が伝っていた。
「終わりだ」
男は剣を軽く振った。
軽く振っただけ。しかしその一撃はクロンを飲み込み、廃墟となった町の壁に叩きつけた。
「がはっ……」
「クロンさん!」
メルリーンがクロンに駆け寄る。
「ん?」
男はメルリーンを見る。
「不思議な力を持っているようだね。興味深い」
男がメルリーンに近づこうとした時。
「メル様には触れさせん!」
ジライが割り込み剣の一撃を放つ。
その一撃は、腰痛で苦しんでいた人物とは思えない強力な一撃。
だがそれも男には通じない。
「ぬうっ!?」
「ご老体。無理はいけない。が……」
男は振り向き歩き始める。
「少年と、ご老体、あなたの一撃に敬意を表してここは引いてあげよう」
それをクロンは起き上がりながら追おうとするが……。
「待てっ……ぐっ!」
すぐに倒れてしまった。
「じゃあね」
そう言って男は影のように消えていく。
「く、くそっ」
「クロンさん……」
「小僧……」
クロンは地面を殴りつけ叫ぶ。
「ちくしょぉー!!」
その叫びは、降ってきた雨に吸収されていくのだった。



