気まずくなってしまった、一輝くんと。

 それから十日が経った。







 あの日から。
 必要以外の会話はなく。
 接してくる態度も素っ気ない。





 この十日間は。
 とても重苦しいものとなっている。



 続いてしまうのか、このまま。
 一輝くんと気まずくて重苦しい状態が。


 そう思うと。
 辛くて苦しくて。

 何とも言えない。
 そんな気持ちになっている。





 だけど。
 今だけは。
 できている、逃れることが。

 気まずくて重苦しい。
 そういう状態から。


 今日は土曜日。

 一輝くんは出かけていて。
 部屋には私一人しかいないから。



 って。

 一輝くんが部屋にいなくて。
 少しだけほっとしているなんて。


 本当は。
 なりたくない。
 こんな気持ちになんか。



 * * *


 昼ごはんを食べ終え。
 後片付けも済ませた。





 その後。
 スーパーへ行き。
 買い物を済ませてスーパーを出た。

 そのとき。
 少し遠く離れたところ。
 見かけた、一輝くんが歩いているのを。



 気付かれたくない。

 一輝くんを見かけた。
 その瞬間、そう思ってしまった。


 だから。
 向けようとした、背を。
 一輝くんに。

 そのとき。