肉じゃがでも食べよう。
 そう思ったとき。
 ガチャッと音がした。


 聞こえたのは玄関のドアの方。

 あの音は鍵を開けた音、だと思う。





 うそ、でしょ。

 だって一輝くんがここに来るのは夕方のはず。



 それじゃあ。
 今、鍵を開けたのは……。


 どうしよう。
 もし怖い人とかだったら。

 どうしよう。
 逃げた方がいいのかな。



 そう思っているのに。
 思うように動かない、足が。


 どうしよう。
 どうしよう。



 そう思っていると。
 玄関のドアが少しずつ開きだした。


 恐怖のあまり。
 ただ立っていることしかできなかった。



 そしてドアが開いて……。