「あーあ。間に合わなかったね。まあ、願いは自分で叶えなきゃね」
唯はテンション高く言った。
「そうだな。宮嶋」
「咲香。これからは宗との時間を優先してくれていいからね」
なぜか私達以上にご機嫌な唯。このまま踊り出しそうなレベルだ。
『ありがとう』
「助かる。唯。咲香もお礼を言ってる」
「親友だもん。当然でしょ。あたしにはむしろそれぐらいしか出来ないし」
えへへと可愛らしく唯は言う。
「あたしも、恋愛したいなぁ。ってちょっと、柴沢何吹き出してるの!? きたなーい!!」
「ごふっ、ごほっ……」
友也が飲んでいたジュースを吹き出した。可哀想に。
あーあ。ダメだこりゃ……。友也、頑張れ。超頑張れ。唯、あんたはもう少し情緒とかに敏感になりなさい。本当に。
宗はそんなふたりを呆れた目で見ている。きっと私も同じ目をしている。
好きって気持ちって、本当単純で難しい。感情をすぐに掻き乱す。だけど死んだら、それだって何も出来ないんだ。
そんな私が手に入れた最後のチャンス、満喫しなきゃ。
色々決めなきゃいけない事はまだまだあるけど……。
「とりあえず! 改めて宗と咲香! 両思いおめでとう!」
『ありがとう、唯』
「おう。ありがとう。咲香も喜んでるぜ」
「とりあえず写真見せるねー。いろんな角度から撮れたんだよー」