「咲香は可愛いのにたまに勇敢すぎて困るけど、正義感強くて明るいところも大好きだ! もちろん、優しいところも」
『照れるよ、宗』

 ストレートすぎるし、そこまで凄い人間じゃないよ? 私。
 無鉄砲で、考えなしでワガママなだけ。お子様なんだよ。中身も。
 せめて髪型下ろして死にたかったなあ。髪の毛ふたつに括らないと髪の量が多いんだよね。私。

 神様にもたまにからかわれたからね。あは。生前はいろんなヘアブラシとか試したっけな。どれも効果がなかったけど。
 サラサラロングになって、背も伸ばして上品な女の子になって、宗にお似合いの女の子になりたかった。

 だけど、今の自分でも宗は好きだと言ってくれた。ここは天国か。いや、天国なら最近までいたけど。

『好き。大好き』
「俺も、咲香が大好きだ」

 私は触れるだけの甘いキスをした。宗も、私に合わせる。
 生きてるうちに勇気を出せれれば、唇のこの温かみも感じられたのに。時が止まったような気がした。