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 しばらく花火が終わって、無言の時間を私達は過ごした。
 ただ一緒にいるだけで、切なくて心地よかった。
 遠くて祭りから帰る人々の声や足音が聞こえる。賑やかな笑い声が、なぜか泣きそうになる理由になる。

「なあ、咲香」

 私の横に、宗がやってくる。私も宗に寄り添うようにくっ付いて見せる。
 宗の艶やかな髪が揺れる。長いまつ毛を伏せるように色っぽい目で私をみる宗にドキリとして胸が締め付けられるように苦しくなる。


『何、宗』

 宗がさらに真剣な顔をして私をジッと見つめる。

 え? え? ええ??
 私の心臓崩壊寸前。
 そんな時、そうは深呼吸して言った。

「俺、お前のことが好きだ」
『え?』
「ずっと、お前のことが好きだ。咲香。最後の日まで、俺の恋人でいて欲しい」
『…………』

 嘘? え? え? えええええええええ!?

 今何分フリーズした!? 私!?

 そして今何が起こった!? 私に!?