「なっ!? ななな何言ってんだ!? 宗!?」

 また顔にモロ出る友也。それに対して唯は。

「そうかなぁー。別に嫌じゃないけど」
「宮嶋は俺とお似合いで嫌じゃないのか!?」

 友也がすごい声で叫ぶ。
 あーあーあーあー。これはヒドイ。

「なんで声裏返ってるの? 渋沢」
「! な、んでもねぇえええええよ宮嶋!!」

 無邪気すぎる唯の言葉に、友也が泣きそうになりながら発狂する。ドンマイ、友也。気持ちはわかるよ……。
 苦笑いを浮かべる宗と、そのまま会場近くから山の方へ歩く。まだ、花火は始まらない。
 歩道になっている山道を、私達はゆっくり歩く。当然虫除けスプレーを皆はしっかり使った。
 草履でふらふら歩く唯を、チラチラ見る友也。

「キャッ」
  
 そして、唯が転びそうになる。

「危ない! 宮嶋!」

 反射的に唯を抱き止める友也。

「あ、ありがとう。渋沢」
「別に……」

 このふたり、末長くいちゃついてればいいと思うの。お似合いすぎる。
 そこで、私は閃いた。
 宗をおいでおいでと呼び寄せる。