「大丈夫か? 咲香」
「うん。なんでもないよ」
「ごめんな、俺のせいで」
頭を私に深々と下げながら、宗は言った。
「宗も何も悪くないじゃん。女子にモテてカッコいいだけじゃん」
「咲香……俺、どうでもいい奴らに好きって思われても嬉しくないんだけどな。でも悪くないっって言ってくれてありがとうな」
グサリ、と何かが胸に刺さった気がした。
どうでもいい奴ら。それって友達として? 異性として? 後者なら、私もどうでもいい人?
「宗。気にすんな。完全にアイツらが悪い」
「友也!」
「気にしなくていいよー。宗。ああ言うミーハーな女子ってあたしも嫌い」
「唯!」
「助けてくれてありがとう。本当に嬉しかった」
「咲香……!」
私達の言葉に、宗はクシャリと笑う。
「やっぱ、俺、お前ら大好き!! 愛してる!!」
そして友也に抱きつく宗。ちなみに唯と私は抱きつかれそうになったので咄嗟に逃げた。
「友也は俺の最高の友達だぜ! 大好き友也!!」
宗が元気な声で叫ぶ。めっちゃデカい声。これ、絶対学校の中まで響いてるけど。
「何を今更」
友也が赤い顔でモジモジと照れたように言った。