それに、死ぬ寸前に告白されれば余計な未練を増やす可能性も正直あるし。
 何より。
 宗が死ななくていい方法があるなら別だけど。
 でもそれは、私が生き返れないという事実がイコールとなる。

『はあああ』
「何辛気臭いため息ついてんだよ。行くぞ。咲香。いい加減皆が待ってる。もう夕飯の時間だろ」
『あ、うん』
「宮嶋んちはお嬢様で箱入りだから親が心配してるじゃないか」
『とっとと唯に告白しちゃえばいいのに』

 ボソリと私はつぶやいて不貞腐れる。

「あ?」

 聞こえてなかったのか、友也はキョトンとしている。
 よかったのか悪かったのか。

『なんでもない』

 他人の恋愛にはこんなにも強気で横入り出来る癖に。
 なんて惨めで無様な私。泣きそうだけど、私は無理やり笑う。
 ダメ。友也に悟られちゃダメだよ。頑張れ。嘘つきの私。
 宗と唯が待ってる。その時自然に笑えてなきゃ、ダメだ。

『さ、早く行こう』

 私はそう言って、勢いよく飛んだ。