「誰のせいだと」
『あはっ』

 不貞腐れる唯を見て私が吹き出す。さらにそれを見た唯も笑い出す。失礼な。

「はっ、あははは、なんで笑うの」

 潤んだ目で唯は私を可愛く睨む。

『何となく?』

 私は反射的におどけて見せる。

「もうーっ!」

 ああ。笑ってても涙が止まらないよ。溢れて溢れて止まらないよ。
 どうして、私は死んじゃったのかな。本当、皆と青春を笑顔で過ごしたかった。
 せっかく同じ高校に入学できたのに、修学旅行の東京が今から楽しみだったのに。
 本当はやり直せるかもしれないけど……私は少し目を逸らす。

 宗がもうすぐ死ぬっていう事、唯にすら言えない私。本当最低だ。

「ねぇ、咲香ちゃん?」

 やっと泣き止んだ唯が、私を見つめて笑顔で言った。