はああああ。いいな。いいな。生きてる人間同士ならベッタリくっついたりもできるんだろうなあ。
唯が持ってるそのいちごミルクだって、ふたりならすんなり間接キスもできるんでしょ。
ロマンじゃん。少女漫画じゃん。キラキラじゃん。
「自分を好きになれたのは、咲香ちゃんのおかげなんだ。だから、咲香ちゃんがいなくちゃもうダメ」
唯は頭を振る。
「あたし、もう疲れたよ。二年間よく耐えたとさえ思う」
そんな。唯……私、唯にも宗にも友也にも死んでほしくなんかないよ。
私のかわりになんて事は言わないから、絶対に元気に生きてほしい。
もう、誰にも悲しい死に方はしないでほしい。
「気持ちは俺にもわからない事はないけど」
宗は呟くように言った。
「わかんないよ。宗には女の子同士の友情の事なんか」
不満そうに唯は拗ねる。
「咲香は、三人にとって太陽だっただろ。特別だっただろ、明るくて、賑やかで、元気で」
『!』
宗、何をいきなり……!?
恥ずかしいんだけど、嬉しい。
そんなふうに思っててくれたなんて。
「そう、だけどさ。あ、柴沢が見えた。おーい。ここだよ!」
「友也! こっちこっち」