「宗……」
「罪悪感感じるならとにかく休め。そして回復を目指せ。それが周りが一番助かるんだ」
「そう、だね」
ゆっくりと、宗は廊下を歩く。
もう授業が始まってるから廊下には人はいないけど、教室の窓からの視線がすごく痛い。恥ずかしい。
「ねぇ、あれって一組の宗君じゃない? あの小さい子誰? よく宗君と一緒にいるのは見るけど」
「さあー? 誰だろう。でも、いいなあ。あんなカッコいい子にお姫様抱っこされて」
聞こえてくる教室からの女の子達が騒ぐ声に、さらに私は羞恥を感じる。
ああああ。もう。やだ。
そう思うのにどこかドキドキして嬉しい気さえする。
こんな状況で正直喜んでる私、バカ? 真剣な顔で歩きながら前を見る宗。その顔を見上げてウットリしてしまうし。やっぱり、宗はかっこいいなあ。はあ。美形。
それに対して私は……まるで小学校の頃から変わらない体型に、顔。はあ。まるでこの光景はお兄ちゃんが妹が運ぶ感じだよね。
冷静になって私は頭が痛くなる。全然ロマンティックじゃない。