ある日。私は猛烈にお腹が痛かった。
私達は男女とも体育の授業の前で、宗はなぜかいつも体育を見学していた。
だから宗は廊下に独り寂しげに立っていて、私は不思議に思いながら宗を見ていた。
「顔色悪いけど、見学? 咲香」
「そう、しようと思ってるんだけど」
声を出すのもツラい。多分生理。それは分かってたけど、それを宗に説明する勇気はなくて。
痛い。超痛い。気絶しそうにお腹が痛い。
「保健室、行かなくていいのか。咲香」
「だい、じょうぶ……」
最近来たばかりの生理は、正直めちゃくちゃ重かった。
ああ。朝無理にでも鉄分取ってくればよかったかな。いや、そういうレベルじゃない。痛み止めも飲んだのに……。
宗の前でこんなの、察してたらどうしよう。恥ずか死ぬ。
「無理するな。咲香」
私の顔色を覗き込む宗。顔、近いよ。
「へ、い、きだよ。宗」
慌てて頭を振る私。クラクラして倒れかける。
「おいっ! 咲香!!」
「…………」
さらに大きくフラリとしたとき。宗はいきなり私をお姫様抱っこした。
呆然とする私。何気に制服やお尻に手が当たり、焦る。
ジタバタしたいのに、そんな気力もなくて私は顔を熱くする。
「保健室。行くから、静かにしてろ」
「……ごめん。ありがとう」
「咲香は別に何も悪くないだろう。体調不良なんか誰の責任でもねぇよ。なる時はなる」
私達は男女とも体育の授業の前で、宗はなぜかいつも体育を見学していた。
だから宗は廊下に独り寂しげに立っていて、私は不思議に思いながら宗を見ていた。
「顔色悪いけど、見学? 咲香」
「そう、しようと思ってるんだけど」
声を出すのもツラい。多分生理。それは分かってたけど、それを宗に説明する勇気はなくて。
痛い。超痛い。気絶しそうにお腹が痛い。
「保健室、行かなくていいのか。咲香」
「だい、じょうぶ……」
最近来たばかりの生理は、正直めちゃくちゃ重かった。
ああ。朝無理にでも鉄分取ってくればよかったかな。いや、そういうレベルじゃない。痛み止めも飲んだのに……。
宗の前でこんなの、察してたらどうしよう。恥ずか死ぬ。
「無理するな。咲香」
私の顔色を覗き込む宗。顔、近いよ。
「へ、い、きだよ。宗」
慌てて頭を振る私。クラクラして倒れかける。
「おいっ! 咲香!!」
「…………」
さらに大きくフラリとしたとき。宗はいきなり私をお姫様抱っこした。
呆然とする私。何気に制服やお尻に手が当たり、焦る。
ジタバタしたいのに、そんな気力もなくて私は顔を熱くする。
「保健室。行くから、静かにしてろ」
「……ごめん。ありがとう」
「咲香は別に何も悪くないだろう。体調不良なんか誰の責任でもねぇよ。なる時はなる」