余命一週間のきみと、その後に生き返る私


 でもどこかで、祈ってしまってるんだろう。本当は私が死んでいない世界線を。私と同じように。

 誰だって『突然の仲間の死』を受け入れたくはない。受け入れられない。

『ごめんね、皆……私のせい、で』

 あんなに明るかった家族なのに。笑顔が一日の仲良し家族だったのに。
 仕事熱心だけど休みの日は決まって釣りに行ってたお父さん。

 習い事大好きでおっちょこちょいだけど社交的だったお母さん。
 ギャルっぽくて、ちょっと恋愛脳だった舞香。

 そして、間抜けでドジだけど明るさだけは取り柄だった私、咲香。
 皆皆自分らしく生きていたのに。

『あんな事件がなかったら……!!』

 私のせいで。私が殺されたせいで。

『あの時私は一体どうすれば、よかったの……?』

 あのまま動かなければきっと宗も死んでた。他の友達や通行人も死んでた。
 そんなのは絶対に嫌だった。だから、反射的に動いた。
 バカな私には、あの時ああするしか皆を守り抜けなかった。
 自分だけ逃げて助かるのは絶対に嫌だった。死んでも嫌だった。

『っ……』

 頭痛い。割れそう。どうしたら。どうしたらよかったの? ねえ。教えてよ。神様。
 なんてひとり考え込んでいると。

「本当、咲香がいなくなってツラい日々が多いわ」

 ぼそりとお母さんが呟いて、宗と舞香がお母さんを見た。
 そしてお母さんはなぜか優しく笑う。舞香は少し不安そうだ。

「けどね。私は心からこう思うのよ。宗くん」
「何ですか? 咲香のお母さん?」

 宗は少し苦しそうにお母さんを見た。
 さらにお母さんは笑う。目に涙を溜めながら。




「また、来世でも咲香が私達の家族に生まれ変わって笑顔を見せてくれるように頑張らなきゃね……ってね」
 お母さんのその言葉に、私は泣いた。