「仕方がないよ。お父さんお姉ちゃんを可愛がってたから。お姉ちゃんのいない家にいたくないんだよ……」
『…………』

 ふたりは真顔だ。私は言葉にならない何かを飲み込んだ。
 今、私が何か言って何になる? 聞こえるはずのない声をあげて、なんの意味がある?? 虚しいだけだ。
 私がふたりの中で生きている?

 いや。違う。
 私はもう、ふたりの中で本当はとっくに死んでるんだ。
 けど。けれど。