変わらなすぎて、ビックリしたぐらい。出かけたあの日の朝、私が使ってその部屋そのものだ。
帰ったら読むはずだった雑誌。
行くはずだった二年前のハマっていたアイドルのライブのポスター。
脱ぎっぱなしのパジャマは流石に片付けられてないけど。
『…………』
大好きだったキャラクターものの日めくりカレンダーは、あの日のまま止まっている。
「失礼します」
舞香も、宗の後についてくる。
そして前は置いてなかったごついけどファンシーな見た目のアルバムをお母さんが取り出す。
まるで昔私が好きだったアニメの中に出てくる魔法書みたいなデザインだ。
「本当、何度見ても懐かしいわね。あの子は写真が好きな子だったから……」
「お姉ちゃんってやっぱチンチクリンで小学生みたいな見た目してるよね。高校生になっても二つ結びとか、地雷系じゃないんだから」
「もう、舞香は大人っぽいからって嫌味言わないの。お姉ちゃん泣くわよ」
まるで、私がそこにいるかのようにふたりは私の事を話していく。
「だってお姉ちゃん好き嫌い多いから」
でも、声はどこか寂しげだ。顔は笑ってるのにどこか淡々としてる気がする。
宗はアルバムの写真とふたりを静かに眺めている。