『ってそんな話をしたいんじゃないでしょ。神様』

 絶対わざと和ませにきたな。さすが神様。この前のヤンデレ未遂といい、本当よくわからない人だ。神様だけど。
 そこに神様がポンと何かに返信した。

『あ、あの時の白猫!』

 事件の直前に咄嗟に助けたあの毛並みのいい白猫だ!!

『え? 何、神様猫に化けれるの?』
「そうだよ。咲香。地上を散歩してたら死にかけてね。そこを助けたのが君だよ。咲香」
『ええええ!? 私神様の命の恩人だったの?』
「うん。だから生き返りの話を持ちかけたんだけど、ね。もちろん事件に同情もしたけど」

 そう言って神様は人間の姿に戻った。長い髪が風に揺れて織物みたいだった。
 なるほど、この髪の毛の質のまま猫になったわけね。納得の毛並み。撫でればよかった。

「で、宗くんは多分成仏する気でいるんだよね。この後四十九日とか色々あるから、現世には顔出せるから安心してね」
『そうなんですか』
「成仏する意思さえあれば、割と自由きくよ。で、咲香」
『はい』
「生き返るんだよね?」

 念を押すように神様は尋ねた。
 私はにっこり笑って……。