『咲香、行くぞ』
『宗!』

 私のセーラー服の裾を宗が引っ張った。

『あ……』

 嘘。
 触れれてる。宗に触れれてる。

 動揺していると、遠くから友也が私を見て呆れていた。そうだよね。同じ幽霊だから触れて当たり前だよね。霊感のない唯も、必死でこっちを見ている。ずっとそばにいたい。唯と、友也と。

 けど、私は決めたから。
 ごめんね。皆。

 ふんわりとなれない足取りで宗が飛んだ。