「天使達」
「ハイッ」
『!? 何、この縄!!』

 私は天国で一番大きな木に鎖で括り付けられた。
 手も足も、手錠みたいなもので動けない。それも霊体に使えるタイプの鎖だから抜け出すことも出来ない。嘘でしょ!?

『助けて、神様。こんなのダメだよ。やめてよぉ』
「いいよ。咲香が僕の事、好きになってくれるなら」

 クスクスと神様は笑う。

「ねぇ? 僕と一緒に幸せにならない? だーい好きな咲香」

 少し甘えたような粘り気のある声が正直気持ち悪い。

『そんな無茶苦茶な。職権濫用だよ!!』

 今までいい人だと思ってたのに!! 神様の事信用してちょっぴり尊敬だってしてたのに!! 

「別に上に誰もいないからね。僕がこの世界のトップだからね」

 怖い。怖い。嫌だ、助けて、宗。

「大人しくしてくれれば優しくしてあげるよ、咲香」