『なんで!!』
「咲香は次に死んだ後には天国で僕のお嫁さんになるんだよ」
『嘘』
「冗談だけど」
『なんでこんな時に冗談を!』
「でも、それに近い形になる予定だよ。僕が魅力的に感じて、かわいそうだったから、特例を出して、死んだ後に僕に仕えてもらおうって」
『そんなの聞いてない!』
「もちろん幸せにするよ、辛い思いをさせたりもしないよ。僕は神様だもの」

 少し悲しそうに神様は言った。蛇のように舌なめずりをすると、鋭い双眸で私を睨むようにみる。
 ゾクリとした。全身の毛が逆立ちそうな感じ。怖い。怖い。怖い。怖いよ。

「きっと喜んでくれると思ってたのに。悲しいな。僕、結構グッサリ傷つくよ。咲香の事、大好きなのに。アハハハハ」

 私の髪の毛を梳かすように優しく撫でながら神様は笑う。やっぱり怖い。

『そんな事より宗を助けてよ! 神様!』
「……そんな事より?」
『ひっ!』

 やばい。完全に怒った。神様は今までにないぐらい険しくて怖い顔をしている。