「できない」

 即答だった。

『なんで。同じ大事な人間の命でしょ!?』
「それはできないよ、咲香」

 冷淡な声。目も少し怒りを含んで見える。

『なんで!!』
「彼は何もしてない。百人死んだ人を成仏させてもない」

 淡々と神様は事実だけを告げる。

『じゃあ、宗もそれをこなせば……!』
「君は特例なんだよ。咲香。全員生き返ってればこの世界はどうなると思うの?」
『だから、その特例の私の生き返りを取り消して、代わりに宗に……!』
「できません」

 神様はピシャリと言い切る。