「お前も一応、幽霊でも疲労はするんだからな。休めよ? 村崎」

 まるでお母さんのようにプリプリ起こりながら言う友也に、さらに私の心が安らぐ。

『はーい。友也も寝てね』

 責任感強い友也は、言われなければ完全徹夜するんだろうな。わかってるよ。

「ふたりが寝たら寝てやるよ」

 ドヤ顔の友也に私達は吹き出す。

『ヤダァ。紳士ぃ』

 クネクネと乙女で変なポーズを私は取る。

「ありがとうー柴沢―カッコいいー」

 爆笑しながら唯は友也をおだてる。

「ウルセェ」

 赤面しながらオーダーパネルを連打する友也。
 ピザに、ラーメンに、おにぎり。あ、今焼きそばも注文した。ナチュラルに食べ過ぎじゃない?
 ちなみに唯はキャラメルアイスパンケーキとタピオカミルクティーを頼んだ。相変わらずである。

 その後和やかにご飯を食べて、結局一曲もカラオケしないまま私たちはカラオケボックスを出た。
 一瞬宗のいる病院を見上げて、不安になったけど、今の私たちは何もできない。
 もしかすれば、神様のカウント間違いってこともあるかもしれないし。神様の間違い。そんなフレーズが頭入る。

『あ……神様』

 唐突に、思い出す。私、一度もこの案を神様に言いに行ってない。行く前に塞ぎ込んではいたけど、お願いもしてない。
 勝手に無理だと決めつけて諦めてたけども、ダメだとも無理だとも言われてない。