「一旦帰って欲しいって連絡が来た。どうするお前ら」
『私は……』
「あたしは平気、ここに泊まるよ」
「無理。いつも通りオレも宮嶋も学生証を受付で出したから。当然完全未成年ってバレてる。だから自動で時間になれば追い出される。街中だから下手すりゃ補導だな」

 頭を抱えて友也がぼやく。

『あ……』

 まあ、この前は誰もいない海だったからどうにかなったのはあるよね……。
 ここは繁華街も近いし、外で待機するのも無理だろう。
 絶対補導される。特に派手な服の唯はめちゃくちゃ目立つし。
 あーあ。

「どっ、どうしよう」

 どうしようもない。

『唯、とりあえず帰って休もう。顔色悪いよ』

 顔色に色がないよ。さすがに二日ほぼ寝てないのはヤバいよ。
 唯は元々徹夜とかと無縁な子だったし、今もだいぶ限界だと思う。声だって眠そうで力がこもってないし。