「安心して。とにかく連絡来て安心したらあたしはすぐ家に帰るよ。適当な理由をつけて。だから心配しないで」

 いや、さすがに心配はするよ。
 本当は帰りたいんだろうな。でも、唯はわかりにくいけどとても優しいから。

 ふたりの事が心配だから、結局家に帰っても唯は寝れないだろうし、これ以上強くは言えない。
 どんなに寝不足で肌が荒れても、眠くても、きっと友情を取るだろう。そんな子だ。私は唯の親友だからわかる。

 見た目はお高いお店のロリィタファッションでバッチリ派手で、顔も性格もちょっとうるさいけど、それでも思いやりだって自分に余裕がある時はちゃんとあるのだ。すぐキャパオーバーするけど。
 それも親友的には可愛いんだけど。
 だから、宗にとっての友也も、友也にとっての宗も特別で愛しい存在なのだろう。
 だから、今の状態で私達が変に口出ししないほうがいいのかもしれない。
 男同士の友情には、私達には理解できない何かがあるだろうし。

 あのふたりにはふたりだけの世界がある。きっと。

 それは皆そうだ。私と宗の間にも、誰にも入れない世界がある。……はずだ。
 けど、今回の事件で私は宗の信頼を失ってしまっただろうから。
 宗は、また私の前で笑って喋りかけてくれるだろうか。
 怖い。
 もう二度と、目も合わせてくれないのじゃないだろうか。凄く泣きそうになる。