「いいえ。咲香ちゃんの大好きな運命の人でも、有名霊感少年でもないから幽霊見えないし、そう言う意味でも仕方がないけど」
『唯……』

 まあ、幽霊が見えないのは今回は唯だけだったから寂しい思いをさせたんだろうなあ。本当ごめんね。唯。

「でも、私が自殺しようとした時全力で止めてくれて嬉しかった。本当にありがとうね」
『そんなの当然だよ。唯は私の大事な親友だもん』

 私は力強く言った。唯はようやく顔をあげて笑う。

「うん。あたしも離れ離れになってもずっと親友だったよ。もし新しい親友ができても、咲香ちゃんの変わりはいないんだから。……だから」
『だから?』
「柴沢にとっても、宗は大事な親友で、色々思うところがあったんだと思うよ」
『なるほど。確かにそうだね』

 それは大いにあると思う。よく今までずっと黙っていてくれたとさえ感じるし。
 ごめんね、宗。ごめんね、友也。本当、私のせいで……。
 言葉が詰まって、私は俯く。それに気づいた唯は話題を変えようとスマホを触りだす。と。