『百人人間を成仏させれれば……って神様が。そう、宗が百人目なの』
「そっか。それは複雑だね。てか神様って本当に存在するんだね」
『いるよ。不思議な神様が』
優しくて意地悪で気まぐれな、神様がね。
「食べたばかりで走れない、そもそも柴沢から連絡が来ないんだけど」
『どこに行ったんだろう? ふたりとも……』
「宗の家ではない気がする。柴沢からの連絡を待とうか」
『そうだね。下手に動くと合流できないかもね』
唯はそう言ってバス停のベンチに座った。
自販機でイチゴミルクを落として、ゆっくりそれを飲み下す。
そして、私とと同時にため息。
「疲れたね。咲香ちゃん」
『うん』
「宗、二日後に本当に死んじゃうんだね。咲香ちゃん」
ボソリと下を向きながら唯が呟く。パンプスを履いた足元を揺らして、どこか不安そうだ。
『……うん。黙ってて本当にごめんね。唯』
「咲香ちゃんは本当に生き返れるの? ありえなくない?」
『よくわかんないけど、そういう事になってる』
自分でも実感はないけど。
「色々信じられないけど、何も知らなかったのはあたしも結構ショックだし寂しかったな。事情があったんだろうし、仕方がな
いとは思うけどね」
『ごめん、唯。わかってくれてありがとう』
嘘つきでごめん。