「宮嶋悪い、会計代理で頼む、これ、村崎の姿が見えるお守りだ。オレは宗を追いかける。そのお守りは昨日ようやく作れた大事な一点ものだからなくすなよ!」
桜色の石で出来たキラキラと綺麗なお守り……パワーストーンに見えるブレスレットを、友也は唯に投げた。
慌てて唯はそれをキャッチする。
「え。あ!? ってうわああ!? 咲香ちゃん!?」
『見えるの? 唯?』
明らかに唯の視線が私と合ってる。嘘。
金魚みたいに口をパクパクして私を指さしてもいる。
「うわあああ。咲香ちゃんが見える! 声も聞こえる!? 嘘でしょ!?」
『嬉しい。唯と直で話せるなんて。さすが友也の作ったお守り……凄い力』
「それはそうだけど、それよりもお会計して早くふたりを追いかけないと……何があったの?」
『うん! 今から話すよ』
「マスター、お会計置いときます! おつりはいりませんので!!」
そう言って唯は荷物をまとめてカフェを出た。
スマホを取り出し、友也に連絡を入れる唯。宗は多分、スマホを見ないだろう。
「何でこうなったの? 咲香ちゃん」
『本当は一週間後に消えるのは宗の方だったの。宗が死ぬのを見届けたら、私の夢が叶うの。生き返るの』
「それは騙す咲香ちゃんのが悪いよ! 気持ちはなんとなくわかるけど。ところで何で生き返れるの?」
唯が不思議そうに尋ねた。
だよね。冗談だと思うよね。同じ立場なら私もそう思う。