「あと二日しかないんだぞ!? さすがに黙ってられねぇよ。オレ」
『わかってるけど!!』

 自覚はあるけど!!

「どうしたって宗は死ぬんだよ!! 足掻いたって無駄なんだよ。別れよ!! 村崎!! お前はかわりに生き返れるからいいけどよ!!」

 そう、大声で友也が叫んだ時。

『何で私が生き返れるのを知って……』
「やっぱ図星か。そんな気がしたんだよ。理由は知らないけどな」
『あ……』
「…………」

 扉を開けたまま固まる青白い顔の宗が、そこに立っていた。

「俺、死ぬのか? 」

 呆然とした表情で宗は私を見る。

「嘘だよな。咲香。嘘だと言ってくれよ」
『……ごめん』

 私は絞り出すような声で言った。ごめん。本当にごめん、許せないと思うけど、それしか言えない。

「友也」
「すまない、事実だ。お前はもうすぐ死ぬ」
「……!」

 宗はショックを受けた表情でカフェを飛び出した。
 風船が空に飛んで行く。

「え、何。何なの? 宗?」

 後ろから風船を持ったままの唯がやってくる。