「何で険しい顔してるんだよ。咲香。チューリップがいいのか?」
『気のせいだよ』
「花屋について来い。好きな花を選べ、その方が楽しいだろ? 咲香」
『そう、だね』
「本当に元気ないな。大丈夫か」
『宗こそ、大丈夫なの?』

 言ってから、しまったと思った。

「何がだよ」
『具合悪いとか、ない?』
「何がいいんたいんだよ」

 本当に、私は何がしたいんだろう。

「俺はいつも通りだよ。咲香」

 宗はニッコリ笑う。
 本当にそうなのだろうか。友也も少し渋い顔をしている。寿命を知っているからだろう。
 唯はよくわからないという顔をして皆を眺めて少し困った顔をしている。

「皆で行こう。咲香ちゃん」
『うん……』