「じゃあ。舞香達が待ってるから、先に帰るわね。またね」
「はい。また」

 お母さんの言葉に、宗が笑顔で返事をする。皆も頷く。唯は手も降っている。
 そして、お母さんが見えなくなった後、一斉に皆がこちらを向く。

「ごめんな。急にお墓参りさせて。どうしても、一緒にいきたかったんだ」
『宗……』
「なんか、行かなきゃいけない予感がしたんだ。何でかはわからないけど」
『そっか……ありがとう。宗、そして友也』
「おう、宮嶋もいるからお前の声はタブレットに俺が書いてくぜ」
『助かるよ。友也』
「ありがとう、柴沢」

 きっとそれは宗の死が近づいてる事に、彼が本能的に気付き始めているからじゃないかと私は思った。
 絶対、体調は悪くなってるはずだから。
 そのはずなのに、多少体調が夏バテか何かで悪そう程度で宗は元気そうに見える。
 ここで、私が唐突に病院を勧めても、きっと宗は行かないだろう。定期検診であれば別だけども。
 そもそもだ。そうの死因は病死であれど、どうやって死ぬかまでは私は知らない。