「そういえば、友也君って霊感少年なのよね?」

 唐突にお母さんに話題を振られた友也は、困ったように頷く。友也の能力はここら辺の人間なら皆が知っている。
 むしろ県を跨いでも有名なぐらいだ。

「そう、ですね。一応霊感は強いです」
「咲香はどうしてるかしら。元気かしら。もう成仏してるのかしら」
「えーっと……」

 今ここにいます! なんて、お母さんには言えないよね。さすがにね。
 私以上に困った顔をした友也は宗を見る。そうは何かを言いたげに頷く。

「実は、咲香は今天国から遊びに来ていて」
「! 本当に!? 友也君」
「はい。今、ここにいるんです」
「咲香が!? ここに!? 本当に!?」
「そうですね。制服姿のままいます」

 興奮気味のお母さんは少し顔が赤かった。目も潤んでいる。
 体も小刻みに震えてるし、それを見ていると私まで泣きそう。

「もうすぐ彼女は成仏する予定なんですよ」
「そう、なの。咲香まだ成仏できてなかったのね。ごめんね、咲香。お話ってできるのかしら……?」
「えーと」

 私は困惑気味の友也に耳打ちする。
 そして、友也がしばらく無言になった後頷いた。