「オレはこの能力を身につけたのも運命かなって思ってるから。まあ、最初は戸惑ったけどな。怖かったし」

 なるほど。すごく前向き。伊達に小さい頃からいろんな幽霊を見てきてないね。さすが霊感少年。

「死んだ親族の幽霊に会えたり、有名人や偉人の幽霊を見れたり、結構楽しいんだぜ。この霊感も」

 得意げな顔をする友也。若干ドヤってる。

「友也はよく守護霊に相談してるらしいな。人生とか、勉強とか。守護霊使ってカンニングはしてないんだろうな?」

 宗が笑顔を取り戻して言った。唯も吹き出す。

「してねぇよ、バカな事言うなよ! アホ宗!」
「ワッリーィ、だって友也だから」
「おい!!」

 皆が笑いだす。良かった。私も笑う。大きな笑い声に、私の涙を啜る声が混ざる。良かった、良かった。うううう。違う意味で泣きそうになる私。

 ごめんね皆。色々悩ませて。ごめんね皆。先に死んじゃって。

 でも。生まれてきて皆や家族に出会えて本当に良かったよ。
 そして。
 ……皆が死なないでくれて本当に良かったとも思う。

 こんなツラくて切ない苦しい気持ち、感じさせないで済んで良かった。なんて。綺麗事じゃないんだよ、本気でそう思うの。
 天国はいい所だけど、皆と一緒には行きたくない。いずれなら別だけど、今は絶対早いし嫌だ。
 それなのに。