「これからは、頑張る。それでいいと思うんだ。唯も、俺も、友也も」
「宗」

 唯が力なく宗の名前を呼んだ。

「できる範囲で、やれるだけでいい。時には休んでもいい。無理しない範囲で努力すればいいだろ、な、咲香」
『うん』

 私は泣きそうになりながら頷いた。本当、そうだよ。
 唯には唯らしい人生を歩んで欲しい。

「咲香は同意だそうだ」
『私の事だけを基準に生きないで、自分の道を生きて』

 唯の人生は唯のものだよ。

 誰のものでもないんだよ。
 だから。

「咲香は私の事だけを基準に生きないで、自分の道を生きてと言ってるぞ、唯。ちなみに俺も同意だ」
「咲香ちゃん……。うん、頑張る。あたしらしく、咲香ちゃんが好きだと言ってくれたあたしで生きれるように頑張るね。デザイナーにもなれるよう努力を続けるし」
「いいんじゃないか。それで。宮嶋らしい目標だと思う。頑張れよ」
「柴沢、ありがとう」
「俺は、霊能力者として一流になりたい。霊媒師になりたい。色んな理由で成仏できない幽霊を助けたい。生きてる人間と、幽霊の間を繋げてやりたい。……まあ、まだまだ無力だけどな」
「すごいじゃん。柴沢! カッコいいじゃん!!」

 唯がキラキラした目で友也を見つめて言う。
 当然、友也は顔を赤らめている。