「なんなら今度柴沢に作ってこようか!? まずいとは言わせないからね!」
「いいのか!? かかってこい!!」

 めっちゃ嬉しそうだな、友也。目が爛々としてるよ。よかったね。

「おうよ」

 一方闘志に燃える唯。相変わらずである。

「……もう仲良しがすぎるだろお前ら」

 ふたりのやり取りに宗がツッこむ。本当にな。時々夫婦漫才みたいだよ。

「それはどうでもいいとして、宗何食べたい?」
「ナスそうめん」

 お、石川の郷土料理だ。なすの入った温かいそうめん。

「味噌とそうめんあるの? 後だし」
「前母親が来た時も作ってくれたから、あるはずだ。唯」
「はーい、作ってくる。冷蔵庫にあるんだね? 台所借りるね、宗」
「おう。助かる、そうめんは冷蔵庫の隣の棚にある。だしも台所にだしって書いてあるケースに入ってる」
「はいはい。オッケーオッケー、できたら持ってくるね。柴沢も食べる?」
「食べる!」

 待ってましたと言わんばかりに叫ぶように友也。うるさいよ。

「了解、じゃ」

 バタバタと階段を降りていく唯の足音が消えると、友也がタブレットを取り出した。唯が宗の部屋に帰ってきたら使うためだろう。それをテーブルに置いてから、友也は宗の隣に座った。そして浮いている私を見る。