「皆そう言うけどな、やっぱり当事者的には後ろめたくてしょうがないんだよ。病人って色々周りの時間も吸うし、普通の人以上にだいぶ迷惑もかけて生きてるからな」
『宗』
「生まれて来なければなって、思った事もあるよ」
『宗!』

 そんな事言わないで!
 絶対そんなわけないから!

 面倒をかけられてでも、生きてて欲しいから皆宗を支えて、助けているんだよ!! だからそんな事考えないで!! 宗!!

「でも、皆がいるから、俺は絶対死にたくないし生きたいって思うんだ、俺は。ごめんな。暗い話して」
『……ううん』
「助けた人間が後ろ向きに生きてれば、助けてくれた人に失礼だしな」

 よかった。
 私は強く唇を噛み締める。泣きそうだ。苦しい。はあ。苦しいよぉ。

「俺じゃなくても人間いつか絶対死ぬし、多分俺は病気だから皆より先に死ぬんだろうけどな。わかってんだよ。でも絶対生きてぇ、長生きしてぇー!!」


 もう、何も言えない。だってそれは事実だからだ。宗はもうすぐ死んでしまう。その予定なのだ。
 頭が痛い。