「え、何あれやばくない? 独り言ブツブツしててキモい」
「イケメンなのにねー。危ない人かな」
「あ、こっち見た。逃げよ。怖」
「関わったら刺されそうだしねー、あーイケメンの無駄遣い」

 とある若い女の子達が宗を見て騒いで逃げて行った。その顔色は青ざめていた。

『…………』

 私、流石に無言になる。

「あ。今、私のせいでとか思っただろ? 違うからな? これ俺のためだから。俺が咲香と話したいだけだから」

 呆れるように宗は言い切った。他の人の視線を全部気にもせずに私の方だけを見ている。

『宗、私の心読んだ!?』
「読んでない。咲香の性格ならそう思うだろうなって思っただけ」

 さすが宗。よくわかってる。
 すごく真剣な顔で宗は私を見て、笑った。

 ああ。この柔らかい笑顔、好きだぁ。大好きだぁ。ハートがトロけそう。ふわふわふー。浮かれて空まで戻っていきそうな気分。

 ウットリした目で私は宗を見つめる。
 宗。宗。大好きな宗。ほんと好き。世界一好き。愛。

『宗、だぁい好き! ……あっ』

 気がついたら、バカなことを口走っていた、冷静になって私は口を押さえる。