直人は仏壇の中で笑っている純の写真から目をそらす事ができない。ショックの大きさのせいで体を駆け巡る血液が凍ってしまったみたいに、血の気が引いた直人の顔は表情を失っていた。
「おばちゃん……
どうして……
僕に知らせてくれなかったんですか?
純が… こんなになる前に…
俺は、純に…
会いたかった……」
直人は頭も心も空っぽでただ心臓が動いているだけの状態なのに、それでも純の写真から目が離せられない。
「純… 嘘だよな?
本当はどっかに隠れてるんだろ?
お願いだから出てきてくれよ……
俺が、この六年間… 純に、何も連絡しなかったのを怒ってるだけだろ?
許して… 純、許して……
お願いだから、俺の前に、姿を見せてくれよ……」
直人は本当に体が凍り付いてしまったと思った。まばたきをすることも、涙を流すことも、ましてや息をすることもできない。直人の魂が苦しがっているのが分かる。片割れの存在を必死に捜している。直人の全ての感覚は今は純にしか向かっていない。魂の奥深いところで純を必死に捜していた。