純の家は大きな二階建ての家だった。納屋の奥にはトラクターが停まっていて、農作業に使う道具が整然と並べられている。
「ただいま~~」
佑都がそう言うと、奥から純の母親の和美が駆け足で出てきてくれた。久しぶりに見る純の母親は、以前より老けて見える。でも、それは仕方のないことだろう。直人達がこんなに成長したように、直人の母達も明らかに年を重ねている。六年の年月は短いようでやはり長かった。
「直ちゃん、それにすずちゃんまで、よく来てくれたわね」
直人は玄関先で大きく一礼をした。
「和美おばちゃん、お久しぶりです。今回は急にお邪魔してすみませんでした」
直人が頭を上げて和美を見ると、和美は純とそっくりな大きな瞳に溢れるほどの涙を溜めていた。
「ううん、いいのよ…
おばちゃんはすごく嬉しい…
こうやって、直ちゃんとすずちゃんが純に会いにきてくれたんだもの」
直人の心臓は荒れ狂ったかのように激しく高鳴っていた。
…純は? なんで出て来ないんだよ? やっぱり怒ってるのか?