すずは静かに頷いた。
「年賀状でやり取りはしてるけど……
今日の事は連絡してない……
住所は分かってるけど電話番号とか知らなくて。
ごめんね……」
すでにすずは泣きそうだった。
直人はそんなすずを切ない気持ちで見ていた。すずは十八歳になってさらに綺麗になった。儚げで守ってあげたくなる雰囲気は昔も今も変わらない。
直人はすずの事を好きだと分かった時からずっと、その想いを隠してきた。でも、今日は何かが違う。明らかに何かが動き始めている。
「そっか… しょうがないね。
今日はこのメンバーでここを掘るしかないってこと。
純の物がでてきたら、先生と相談してどうするか決めよう」
光太郎はそう言うと、先生から配られたグループごとに埋めた場所が記されているプリントを見ながら、その場所を探し始めた。
せんだんの木の葉が、風に揺れて優しい音を奏でる。いつも聞いていたこの優しい音色は、今、純のいないこの四人には届いていない。