大野純……
 直人と同じ団地で育ち、卒業と同時に遠くへ引っ越していった。
 直人にとって純は、幼なじみであり親友でありライバルだった。
 小さい頃から必ず隣に純がいた。体は華奢だったけれど勉強はできるしスポーツも万能、かけっこでもサッカーでも直人は純に敵わなかった。純はいつも明るくクラスの中でもムードメーカーで、大きな瞳にサラサラの髪で女の子にもよくモテた。
 直人もそんな純の事が大好きだった。そして、純も直人を一番の親友だと思っていてくれた。

「直人は純と連絡取り合ってなかったの?」

 真子がとがめるように聞いてきた。

「……うん。
 年賀状とかくらい……
 俺も中学でサッカーを真面目に始めたから、なんだかんだで暇がなかった」

「純、本当に今日来ないのかな?
 すずは?
 すずとも仲良かったじゃん?
 何も連絡きてないの?」