五年と六年の二年間、クラス替えがなかったせいで、それぞれのグループができそれぞれで親交を深めていた。
特に直人のいる五人グループはクラスの中でも一番に仲が良く、大きな声で親友と叫んでも誰も疑わないほど固い絆で結ばれていた。
光太郎はクッションのような柔らかい存在で、グループの中の潤滑油のような大切な役割を担っていた。
野村真子はとにかくよく喋る女の子で、真子がいる日といない日では賑やかさが全然違う。そんな真子はグループの中で太陽のような存在だった。
そして、藤ヶ谷すず……
クラスで一番、いや学年で一番の美少女と呼ばれていた。でも、人見知りが激しく仲のいい人としか話さない。そんな性格のせいか、すずがこのグループを一番大切に思い、誰よりも愛していた。
「直人、今日、純は来ないの?」
直人は光太郎にそう聞かれ、少しだけ肩をすくめた。
「さっき、先生にも聞かれた……
学校からは純の引っ越し先に手紙は出したらしいんだけど、先生の方には出欠の返事はなかったって」
「あ~、純に会いたいな~
今日、来ないんだったら、ショックが大き過ぎるよ…」