すずはそのキーホルダーを小さな箱に入れてもらった。お洒落な包装紙で可愛く仕上げてもらい、すずは満足げに微笑んだ。
 小さいけれど、きっと純は喜んでくれる。もし私達の事を忘れていたとしても、これを見ればきっと昔を思い出して笑ってくれる。
 すずは直人が待っている場所へ急いで向かった。直人は、店の外のベンチに座ってスマホをいじっている。

「いおりにLINEしてたんだ。
 一応、手紙に俺とすずの携帯番号と俺の家の番号は書いただろ。
 こっちに連絡はないし、家に電話があったかなって思って…」

 直人はスマホをポケットにしまった。

「純の家にいつ手紙が届いてるかもわからないし、それに純が昔と変わってなければ私達には絶対連絡はしない。
 純の面倒くさがりが健在なら、電話もメッセージもましてや手紙なんてあり得ないから」

 直人はフッと鼻で笑った。

「逆に連絡がきたら気持ち悪いか…」

「そうだよ」