「全部写真が印刷されているでしょ?」

「うん」

 直人はそのハガキを見ながらそう答えた。

「これって日光の色々な景色だと思うの。純ってカメラで写真撮るの好きだったじゃない?
 この写真も絶対に純が撮ったものだと思うんだ」

 直人は一枚のハガキを手に取り、素人より少しだけ上手い程度の写真をジッと見ていた。

「そうかもしんないね」

 直人は適当に返事をした。

「もし日光で時間があるなら、純が写真を撮った場所にも行きたい。
 ねえ、いい?」

 直人は水面に陽の光が反射して、水の上に七色の虹が映っている川の写真を見ていた。

「この写真を本当に純が撮ってるんだったら、かなり腕を上げたよな」

「うん、私もそう思う」

 すずは興奮気味に大きな声でそう言った。

「じゃ、純の家に行って、その後に純に案内してもらおうか」